あらすじ
ユングステッド男爵家の長女であるマリアは、ある日妹と婚約者が愛し合う場面に遭遇する。
本来なら怒りを覚えるはずの状況だったが、マリアはとある異変に気付く。
「……記憶が……ない」
周りにいる人が誰なのか分からない所か、先程まで自分が何をしていたのか、そして自身の名前すらも忘れてしまっていた。
マリアは何となくで状況を察しすんなりと婚約破棄をしたが、とある問題が浮かび上がる。
ランス公爵家から、妹への縁談が持ち掛けられたのだ。
既に他の男性に体を許してしまった妹を格上の公爵家に差し出す訳にはいかない、ましてや公爵家からの縁談を格下の男爵家が断るなんて以ての外、と父と共に悩んだ結果、婚約破棄をして相手のいなくなったマリアが公爵家の顔合わせに行くことになった。
そして当日、マリアは父と共に縁談相手のエドヴァルド・ランツに会うが、
「君を幸せにする……今度こそ」
と何故か意味深な言葉と共にプロポーズされてしまう。
初対面で突然プロポーズをしてきた彼に混乱しながらも、マリアは新たな婚約者と幸せな日々を過ごし、やがて二人は結婚することになるが……
「マリアは、もうすぐ馬車が襲撃され亡くなる」
信じられない言葉を聞いたマリアは、遂に愛する夫に真実を聞く決意をするのだった。