あらすじ
明政大学付属明政高校の三年二組。
高校生活も残り一年となった。
天川蓮(あまかわれん)は、交友関係の広い生徒だ。
ただそれをいいものだとは蓮自身は思っていない。
広く浅くの人付き合い、それが彼の処世術だった。
そんな彼の隣の席は、華賀美桜(かがみお)。
彼女は蓮とは真逆で、誰に対しても無関心、塩対応という女子生徒だ。
初めて同じクラスになったため、美桜がそんな女子だと知らなかった蓮は、始業式の日に普段通りに声をかけた。
「天川蓮っていうんだ。今年一年よろしく!」
「はぁ……。華賀美桜です」
それに対し、返ってきたのは、よろしくなんてするつもりはない、と嫌でもわかる美桜の態度だった。
美桜が蓮をよく思っていないことは明らかだった。
そして蓮の美桜に対する第一印象も最悪なものだった。
翌日、美桜と同じクラスになったことがある男子のクラスメイトに美桜がどういう女子かを聴いた蓮は席替えまでの間は大変そうだなと思ったのだが、それはすぐに現実となる。
蓮と美桜で日直をやることになり、蓮は無駄に疲れる一日を過ごすことになった。
そうして一週間が経ち、蓮はこの日通学の電車内で痴漢にあっている女子生徒を偶然見つける。
見てしまったからには放っておけないと近づいていくと被害にあっていたのは美桜だった。
そしてその隣には、美桜の彼氏と噂の水波昇(みなみのぼる)がいた。
しかし、昇は全く気づいている様子がない。
何とか痴漢男を撃退する蓮。
「……助けるのが遅くなって悪かった」
恐怖からか僅かに震える美桜にそれだけしか言えず、蓮は二人から離れた。
そんなことがあったが、今回のことが特別であって今後は関わることもないだろうと考える蓮。
しかし蓮のその考えは早々に否定されることになる。
真逆の人付き合いをしている蓮と美桜。
なぜ彼らはこんなに極端な対応をするようになったのか。
二人が高校最後の年に初めてクラスメイトになったことをきっかけに周囲を巻き込んでそれぞれの想いが動き始める――――。