あらすじ

熊山遺跡に想いを馳せる青年は、展望台から、南の彼方を見つめ、古を想う。 古代、熊山の麓、吉井川の辺にあった村では、熊山を神々が宿る霊山とし、御山と呼んで、信仰していた。村に住む、カヤトとイツキの兄妹は、幼くして両親を亡くし、長老に育てられた。 梅雨のある日、異国の舟が村の川原に漂着した。遥か南の海原に浮かぶ島より、仏の聖地を目指していた、ルヤン達。彼等は、嵐に遭い、道を失い漂流を続けた果てに、御山の光に導かれて、村に辿り着いた。ルヤンは、カヤトが唐留学していた時の、友人。その事から、彼等を村に受け入れる事になった。 国に帰る事も、聖地に向う事も出来ない。ルヤン達は、その想いを抱いたまま、村での暮らしに、馴染んでいく。季節の無い国の彼等にとって、移り変わる村の四季は、不思議で驚くもの、そして、冬の寒さ、雪は、戸惑いだった。 彼等が、村に溶け込んだ頃、辺りで流行病が広がる。多くの人が無くなり、ルヤンの仲間である、ネジャも、病に倒れる。ネジャは、国に残してきた、家族を思いながら、死んでしまった。失望に暮れている中で、ある時、都に来ていた、唐の使者が帰る途中、霊山を近くで拝みたいと、村へと立ち寄った。その使者に誘われて、ヤンブは、再び、仏の聖地を目指す決意をし、村に残る、ルヤン達と別れる決意をした。 ルヤンが、村に残ったのは、イツキの事もあったから。二人は一緒になり、子供を儲けて、日々を過していく。平穏で、恵み豊かな村であったが、聞えて来る、不穏な噂に、村人は不安となる。 「この土地の、恩恵が永遠に続くと良いな」イツキの言葉。 ルヤンは、神仏の力を高めようと言い、 聖地にて作る筈だった、永遠を祈念する祭壇を、御山にある磐座の上に作る事を提案し、村人達と共に、御山が永遠に在り続ける様に、村と土地も永遠に豊かで在るとの祈りを込めて創る。 熊山遺跡には、その様な想いが込められているのだと、青年は、想い描いた。

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小説を読もう2019/06/22
  • 現在の作品熊山幻想記~遙かなる空 彼方なる海原~