あらすじ

あらすじ  人を避け、困れば笑って誤魔化し、とくにやりたいことも無く生きてきた真澄。大学で絡んでくる内藤への対応に困惑しながらも、生活費を稼ぐために懸命に暮らしていた。  ある日、真澄が働くスーパーに一人の男性が客としてやってくる。真澄が接客しているうちに、その人は視覚障がい者だとわかった。目が見えにくい彼は、周りに自分の要求や考えをハッキリ言う人で、真澄は苦手だと感じ彼を避けようとする。  しかし、内藤がスーパーに迷惑をかけたせいでアルバイトを辞めることになり、真澄は次の職に家事代行のアルバイトを始める。家主がいない間に進められる仕事なら、人と関わらなくて気楽で良いと思っていた矢先、真澄はあの、視覚障害の男性の家に派遣された。彼の名は稜。真澄はその名前と性格から、気骨稜稜という四字熟語を連想するが、仕事として彼と接するうちに、本当に四字熟語を体現した人なのだと知っていく。  同い年ながら点字や福祉に興味を持ち、障がい者の見ている世界をみんなに知ってもらいたいという彼。純粋に真澄は稜に憧れ、彼のサポートができることに喜びを感じ始めていった。稜を知れば知るほど、真澄の憧れと尊敬は強まり、稜も、友人として真澄が好きだということを、ストレートに伝えてくれた。どうして彼はこんなにも強いのだろう、と思っていた時、彼から話を聞く。実は稜も悔しい思いをしたり、差別された痛みを知っていた。だから稜は強いのだと。そこで真澄は、今までこんな風に深く人を知ろうとしなかったことに気付く。この関係を大事にしたいと真澄は思った。  しかし友人として稜との仲が深まったある時、稜の幼なじみの女性と三人で会う機会が訪れる。真澄の目の前で二人は指を重ね、指で点字を打って会話する指点字を始めた。コミュニケーションの一つとはいえ、真澄はその姿に嫉妬してしまう。稜だって、ほかの盲ろう者と指点字で会話する機会はいくらでもあるのに、と戸惑う真澄。やがてその嫉妬が稜に対する恋心からくるものだと気付き、稜から距離を置こうとする。なぜなら真澄は過去に集団生活に馴染めずにいて、同じく馴染めなかった同級生に依存された挙句、消息を絶たれた事があったからだ。それが原因で人を避けるようになったので、稜にとって重い存在になりたくない、と真澄は考えた。  けれど稜はそんな真澄にすぐ気付く。そして彼は言う「どうして避けるのか教えてくれ」と。どんな時でもまっすぐに自分と向き合おうとしてくれる稜に、真澄は根負けして想いを告げる。すると稜も、実は友達としてではなく、恋愛感情として好きだと告白され両想いに。  相手を知り、人と深く関わることの喜びを知った真澄。自分と向き合った結果、稜のような人のサポート、というやりたいことも見つかり、資格取得やスキル向上のために動き出した。

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カクヨム
カクヨム2024/02/05
  • 現在の作品澄んだ声、重なる指先