あらすじ
全てのことの起こりは、ある年の夏の館。少年少女達が集う中にひとつの出会いがあった。夏の休暇を過ごす為にアイゼングラード侯爵領を訪れた公爵家のユリウス(7歳)は座敷童のような少女エマを見つける。「エマ・クドゥナルと申します。へいみんです」そう名乗るエマ(6歳)はユリウスにとっては見たことのないような女の子だった。複雑な生活の中だが、エマは概ね幸せだ。元貴族のかっこいいお父さんと優しいけどちょっと変わってるお母さんに育てられて、一度失くしたものを取り戻し、より大切に感じるような不思議な感覚と共に、深い愛情に満ちた日々を送っている。(でもお姉ちゃんが居ない。ん?お姉ちゃんが居ないってどういうことだ?まぁいいか…)なぜか家族が1人足りない感覚と共に。弱者が生きる道を選択する難しさを感じながら常にしなやかにエマは生きる。完璧と称される貴公子ユリウスはそんなエマに惹かれだんだんと執着を深めていく。だが、驚くほど美しい容姿と人の心を明るくするような愛嬌を持つのに、高貴な身分を持たないエマを誰しもが自分勝手に『欲しがる』。「ごめんね。私は王都では貴族に近寄ったらいけないんだ。許されてるのはここでだけなんだよ」それは自衛のために必要な決まり事。エマにこれ以上の交流を持てないことを告げられ、ユリウスは懊悩を深めるのだった。