あらすじ
少女が目覚めた時、目の前には《怪物》がいた。
己がどうしてそこにいたのか、それがどんなものなのか、一切の記憶が無い────「殺される」と思った瞬間、彼女を救ったのは、ある四人の人物だった。
黒髪に学生服、両手に扇を携えて蒼い炎と共に虚空を駆ける、すらりとした痩身の少女。
山吹色が鮮やかな長い髪、ベージュとフリルの華やかな燕尾服、手に一本の太刀を下げた柔和な性別不明。
一本に括った黒い髪には明るい緑色のラインが映え、その指の一鳴らしが数多の閃光を呼ぶ端麗な男。
そして、桃色の香しい髪を靡かせて、天球儀を片手に艶冶に微笑む紅色の女性。
すこぶる威圧的で、あまりに圧倒的なその暴威。見た目も性別も年代も、手にする得物すらばらばらの彼らは、ただ一つ共通の目的を持って徒党を組んでいた。
それは、「終末を退けること」。災いによって病み、常に滅亡の一歩手前に在る世界を、ただ抜きんでた力で以て守り抜くための四人組。
────《カルテット》。そしてこれは、彼らとの数奇な出会いの果てに、己が目で世界の在り様を確かめていく少女────“+1”の物語である。