あらすじ
私は聖女になりたかったけれど、やむをえない事情で聖霊の力を失った。
でも、聖女になったらなったで、きっと今よりも多くの人が死んでいく。
「..............私は、どうしたらいいの?」
「僭越ながら................」
どこからか現れた白百合の騎士が、膝を折って頭を下げる。
「私にはよくわかりませんが、アリシア様は国を愛しているから聖女になったのでしょう?」
「...............え? いや、えっと............はい」
確かにそういう動機だったけれど..............愛しているかどうかは、今でもよくわからない。
「では、聖女として国を守り、国民を守ればいいのではありませんか?」
白百合の騎士は笑みを深くし、私に手を差し出してくる。
「私が全身全霊を以てお守りいたします。どうぞアリシア様は、アリシア様が為すべきことを為してください」
私は──おずおずとその手を取った。