あらすじ
「たとえこの街でも、死んだ人間は生き返らない。決してだ」
死んだ人間がキョンシーへと転化し、生きた人間を襲う街――チャイナタウン。一九九七年から世界各地の都市がチャイナタウン化する中、二〇〇〇年に日本で初めてキョンシー転化現象が起きたのは、横浜でも神戸でも長崎でもなく、池袋だった。
そして二〇〇六年、両切り煙草”パーカッション”をこよなく愛飲する火葬屋ジッポと、キョンシーでありながら”魂”を持つ少女リュィ、池袋駅北口辺りに位置する雑居ビル――比良坂ビル五階に居を構える二人は、閑古鳥を飼いながら、少ない依頼をこなし、キョンシーの火葬に明け暮れていた。
そんな彼らの許に、ジッポの師であり、リュィの母でもある黄燐――一年前に死んだ彼女の陰とも言える男、デュポンが現れる。
これは、死を覆された街で巻き起こる、死者を想う物語《メメント・モルトス》。
※この物語はフィクションです。実在の人物、団体とは関係ありません。また、この物語はいかなる政治的意図も持たず、実在の人物、団体、民族、国家などを誹謗中傷する意図はありません。