あらすじ
どれだけの恋心を秘めていようとも、主人公に選ばれるヒロインはいつだってひとりだけ。
選ばれたヒロインがめでたしめでたしなハッピーエンドを迎えている裏では、まったくめでたくないバッドエンドを迎えた、選ばれなかった恋愛敗北者(負けヒロイン)たちがいた。
主人公は選ばれたヒロインと共に舞台を去った。
それから間髪入れず、主人公すぎる双子の弟と、瓜二つの兄の俺が転校してきた。
イッセーという愛称と共に、弟の人間関係をお下がりのように引き継いだ。
当然、弟に恋してきた恋愛敗北者がそれを放っておけるわけがない。
だが弟のような優しさを求められても、俺は絶対に優しくしない。それどころか、本人を前に選ばれなかった恋愛敗北者呼びする始末である。
その中でも隣席の男たちの憧れは、俺に弟の面影を求めるのをやめられなかった。その度に弟の真似をして怒らせ、ぞんざいに扱い続けた末に、学校の男子たちから目の敵にされるようになったのだ。
それでも俺は、絶対に彼女たちへ優しさを与えることはない。
なぜなら、その恋心に都合のいい代替品を求めてはいけないと思ったからだ。
面影を求めてしまう感情は、理性で簡単に御せるものではない。
だからこそ、いつかその想いを乗り越えられるまで、俺は厳しさだけを与え続けると決意した。
これは弟に選ばれなかった少女たちと、新たな恋を育む話ではない。
その失恋を、厳しさをもって乗り越えてもらう話だ。