あらすじ
高校一年の木ノ下澄雨(きのした・すう)は、母親と幼い弟の幹也(みきや)と三人暮らし。
父親を亡くして三年、働く母親を支えるおさんどん女子高生として家事育児を一手に担っていた。
年も押し迫った十二月の第一週、弟を迎えに保育園へ行った帰り道でのこと。
駅のホームを見渡せるスロープの金網に張り付き、走り込んでくる電車(の車掌)を待つ弟にしぶしぶ付き合っていると、
澄雨はふいに、鮮やかな深緋色(こきあけいろ)のスーツ姿の見知らぬ男に声を掛けられる。
温泉のような香りをほのかに漂わせるその若い男は、縦に光る虹彩で澄雨を無遠慮に眺めやった。
「あの時の、溢れんばかりだった怒りや悲しみは、まだ君の中に残っているかい?」
男の匂いはシノニオイ。
男はかつて澄雨と交わした約束を果たすために現れたのだ。
おさんどん女子高生澄雨の日常は、シノニオイに囚われ少しずつ軋んだ音を立て始める。
男は一体何者なのか。
果たして澄雨は男を退けられるのか。
クリスマスの夜、雪はしんしんと降り行く。
※レーティングへの理解が未熟なので、念の為にR15指定させて頂きました。
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旧題『さよならのタイミング』105枚(約4万字)2008/5 PNイマダ名義
※某小説投稿サイトのお題企画で書いた40枚弱を紆余曲折を経て改稿したものです。