あらすじ

第一王子であるアレントは、自身の妃とするべき人物についてその意思を固めつつあった。いったい誰がその相手として選ばれるのかは、多くの人々がいろいろな予想をしていたものの、その筆頭候補とされる人物が一人。

「これからどうしましょう♪王宮に入ったなら、この私ももう王族の人間という事になりますし…ああそうそう、そうなったらお姉様には何も与えなくていいから」

 取り巻きとそう笑いながら話をするこの人物、リーエルこそがその人だった。彼女はこれまでの第一王子の自分に対する態度から、自分こそが選ばれるに違いないと確信していた。

「お姉様の手柄を横取りした甲斐が、あったというものですね。あんな役に立たない魔法が、まさか第一王子様に認められて気に入られるだなんて…世の中何が役に立つか分からないわ♪」

 そう、彼女の姉であるレリーサが生み出した魔法を、自分の手柄だとして彼に媚びを売っているのだ。彼もまたそんな彼女を自分に相応しい魔法使いであり、将来を託すにふさわしい人物だと評価している。だからこそのこの自信なのだろう。
 しかし、そんな彼女に苦言を呈する人物もまた…

「悪い事は言いませんので…それはやめておいた方が…きっと博識であられる第一王子様はお気づきだと思いますよ…」

「そんなはずがないでしょう。それなら私との関係を築く必要がないんだもの。それでも私を好いてくださるのなら、それはもう私に夢中であるとしか考えられないわ」

 その自信を砕くものはもはやなにもないのだろう。そこまで言うのなら、やはり誰の目にも妃となるべき人物は明らかであるかのように思われた。

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