あらすじ
「あいつとは、付き合ってあげてるだけだから」
それが俺の彼女──佐倉 美春の口癖だった。ダウナーで、気分屋で、それでもとても美人で人気のある少女。俺と彼女は昔からの幼馴染で、俺はずっと美春のことが好きだった。
でも美春は、平凡な俺のことなんて見てくれない。俺はずっと自分の気持ちを伝えることができず、半ば想いを諦めていた。しかし、高校に入学した直後。彼女はどうしてか、俺に言った。
「別に、付き合いたいなら、付き合ってあげてもいいわよ」
そしてそこから、地獄のような生活が始まった。
俺は彼女とろくに手を繋ぐこともできず、彼女は俺を召使のように扱った。皆の前で笑い者にし、パシリのような真似をさせ、そして決まって「あいつとは、付き合ってあげてるだけだから」と笑った。
そんな生活が半年近く続いて、とあるデートの帰り道。美春は言った。
「──飽きたから、別れようか」
それで、俺の中の何かが壊れた。まるで、長い間かかっていた魔法が解けたみたいに。
これは、1人の少女が苦しんで、後悔して、嫉妬して、泣いて謝るまでの話と謝った後の話。