あらすじ
何故この私が悪役令嬢に....⁉私はただ、平穏に暮らしていたかっただけなのに。
しかも私を虐めているのは婚約者である皇太子様だし……。
もうこんなの嫌よ!
「ちょっと貴方、聞いているの?」
「え……?」
目の前にいる美少女は怒ったような表情をしている。どうやら私がぼーっとしていると思い怒ったらしい。……けれど私にはどうでもいいことなのよねぇ……。
そんな私に苛立っている彼女は悪役令嬢のセレスティア・ファントリアスと言うらしい。最近この名前を聞くことが多くなったわねぇ……。あぁそっか……、今日が学園に入学する日だからか。
「相変わらず貴方は私に対しての態度がなっていませんわ」
「……申し訳ございません……」
彼女の話によると私は悪役令嬢らしい。名前も悪役令嬢のセレスティア・ファントリアスに変わっているし、彼女は私の婚約者である皇太子様が好きらしい。彼女と婚約していた私は邪魔な存在になったようだ。
(でも私そんな悪いことしてないのになぁ……)
そんなことを考えていると突然「ここは僕に任せて!」と言った声が聞こえてきた。そして同時に私の身体を優しく包み込んだ。この声は聞いたことがある。確か私の愛しい人である彼の声だ。
「セレスティア嬢、彼女と話したいので退席してもらってもいいかい?」
「皇太子様……!?何故ですの!?」
彼は皇太子様だ。流石ヒロインの攻略対象。ゲームで見た彼よりもかっこよく見えた気がする。そんなことを思っていると、いつの間にか私は彼に手を引かれて人気のない廊下に移動していた。
「やっと二人きりになれたね」
「……え?」
今何か言った気がしたけれど聞き間違えかしら?「あぁごめんね。なんでもないよ」
彼はそう言って笑った。その笑顔にキュンとしたが、同時にどこか悲しくなった。それは多分彼が攻略対象だからだ。ここで彼のルートに入れば私はヒロインの邪魔をする存在になってしまうからだ。
(でも……)
でも私は彼を諦めきれていないようだ。だから少しだけ悪役令嬢に協力してあげてもいいかなぁと思うのであった。
「僕は君のことを愛しているんだ」
「……っ!」
目の前にいる彼は真剣な眼差しで私を見ている。その瞳から目が離せないくらいに彼が美しく見えた。彼の髪色は金色でとても綺麗だった。
「あの……皇太子様、婚約破棄の件はどうなりましたか?」
「あぁその件なら問題ないよ」