あらすじ
空想趣味の男子高校生、明石《あかし》響也《きょうや》。授業もまともに受けずに日夜異世界の物語の空想にふける彼は、学年一の美少女——音無さんとよく目が合う。
音無《おとなし》聡里《さとり》。彼女は深窓の令嬢やら才色兼備なんて言葉が綺麗に当てはまってしまう絶世の美少女だ。いつでも固く引き結ばれた口元から声を聞くことはほとんどなく、綻ぶことも歪むこともない表情は仮面のように平坦。
そんな彼女の秘密は――目があった人の心を読めること。
「あかしのおはなし、きょうもみせて」
「ああ」
「こんど、きょうしつにはなしかけにいくね?」
「それはちょっと不味いかも」
「……いえ、くる?」
「もっと不味いかもなっ!?」
これは秘密の共有から始まった、距離感がバグっていく面倒くさい青春の話。