あらすじ
「あたしさあ、陽毬とならつきあえる自信ある!」
「え……」
「だってこんなに気があうんだもん。誕生日も近いし、趣味も似てるんだよ。ぜったい、運命!」
「う、運命って」
「あたしら、つきあったら、ちょーしあわせになれると思うんだ。これ、まじ!」
沙莉の言葉は、わたしにとって毒だ。
わかっていた。こんなにも夢中になってしまうもの、からだによくないに決まってる。
だけど、こんなしあわせな毒なら食べてしまってもいいんじゃないか。
だって、沙莉はわたしにとって、栄養で、薬で、エネルギーなんだ。摂取しないと、死んでしまいそうになるんだ。
沙莉といると、今まで味わったことのない気持ちになれた。それは、沙莉がわたしのことを真剣に考えて、求めてくれているからだ。沙莉とだったらわたしは、しあわせになれる。
人の心がわからないわたしでも、沙莉といっしょにいれば、しあわせにしてくれる。
夜、二十時。
おだやかな灯台の光が、まっすぐにわたしを導いた。