あらすじ
東北大地震が発生した1週間後、小笠原と言う青年と長岡と言う老人が道路巡回車で仕事のために東北自動車道を走っていた。この1週間、長岡は震災による津波で行方不明となっている妻(玉)のことを捜していた。この日も疲労困憊の中、老人の身体に異変が生じてきた。徐々に動かなくなる神経機能の中で、老人はあることを思い出していた。長岡が青年だった頃に出会った九鬼大佐と大和型戦艦4番艦のことを。~1941年~大和型戦艦4番艦111号は呉海軍工廠のドックで船を組み立てている作業の途中に、軍より工事中止の命令がなされたが、青木、長瀬と言う青年将校と岩瀬少佐の働きにより、大和型戦艦4番艦は廃棄を免れ、戦艦ではなく輸送船として生まれることになった。船の名前は桔梗丸と決まった。輸送船でありながらその当時最新鋭の武器を持ち、癖があるが技量を持った船員達が集まり桔梗丸は戦地を切り抜けてきた。その桔梗丸が横須賀軍港に入港し、長岡与一郎と言う新人が桔梗丸の船員に入ったが、九鬼船頭は遠い遥か遠い昔に長岡に会ったような気がしてならなかった。それから桔梗丸は、兄弟艦の武蔵、信濃、大和の壮絶な最後を看取るようになってしまった。~1945年8月~日本国の降伏後にも関わらずソビエトが非道極まりなく、満洲、朝鮮、北海道へ攻め込んできた。桔梗丸は北海道へ向かい疎開船に乗っている民間人を助けに行ったが、小笠原丸及び第二号新興丸は既にソ連の潜水艦の攻撃の餌食になり撃沈され、泰東丸も沈没しつつあった。桔梗丸はソ連の潜水艦に対し怒りの主砲を発砲し、見事に撃沈した。この行為が米国及びソ連国から日本国が非難され国際問題となろうとしていた。桔梗丸は日本国から投降するように厳命があったが拒否した。しかし、桔梗丸は日本国には弓を引けず無抵抗のまま、日本国の戦闘機の爆撃を受け、最後は無念の自爆を遂げることになった桔梗丸の船員のうち、意識のないまま小島に一人生き残された長岡は、「何故、私一人が。」と思い悩み、残された理由について、探しの旅に出る。その理由は?前世で何があったのか。与一郎と玉の古の愛の行方は…。