あらすじ
「あなたがいると私に恥をかかせる! ……あなたとは婚約破棄ですわ!」
俺の婚約者であるカトレア・アンバーがそんな事を言いながら俺を突き飛ばした。
その反動で俺は階段から転がり落ちる。
「……カトレア」
「……ふんっ!」
カトレアは不敵に笑いながら俺を見下ろしていた。
……さて、婚約破棄されたわけだが。
どうやってあの女を断罪しようかとそんな事を考えていると、誰かが駆け寄ってくる足音が聞こえた。
「大丈夫っ!? ユリウス!」
そんな声とともに誰かが俺の手を取った。
それが誰かはすぐに分かったので、慌てて振り払う。
「え……?」
俺の手を掴んだのは、俺の婚約者であるカトレアの妹であるマリーナだった。
マリーナは戸惑ったような顔をしていた。
「俺に触るな」
「で、でも……」
「……お前まで俺を馬鹿にしているのか?」
俺は立ち上がるとすぐにその場から離れた。
そんな俺の背中をマリーナは悲しげな表情で見送っていたが、俺はそれを無視した。
(そういえば……アイツだけは俺の事をかばってくれたな)
そんな事を考えていると、後ろから声をかけられた。