あらすじ
――リヒト視点――
「…君を…心から…愛している…次に会える日を…楽しみにしているよ…と」
愛するエレミスへの手紙を心を込めてしたため、ほっと一息つく。
「…あとは、ロミナとの婚約破棄さえ成立すれば…私は彼女と結ばれることができる…!」
ここまで長かった…心を許せる女性がいつまでたっても現れない事にいらいらした私は、とにかく誰でもいいから連れて来いと臣下の者に命令を出した。そこで連中が連れてきたのが、当時は平民であったロミナであった。…しかし平民の価値観は下品なもので、共に暮らしているだけでもストレスで仕方がなかった。…それがようやく、私が運命の相手と認める女性が現れたのだ。こうなればもうあの女に用はない。荷物をまとめて出て行ってもらうまでだ。
そう考えを巡らせていた時、何者かが私の部屋の扉をノックした。
「リヒト様、よろしいですかな?」
この声はラークス…かつてロミナを私に紹介してきた無能な臣下だ…
「…入れ」
ツカツカとラークスはまっすぐ私の方へ歩み寄り、一つの書類を提示してきた。
「こちらが婚約破棄に関する誓約書になります。すでにロミナ様のサインは頂いておりますので、あとはこちらにサインを」
「ほう」
まっていた…!これに…これにサインさえすればあの女との関係は終わり、新たな未来が開かれるのだ…!!