あらすじ
この1週間ほどは忙しかった。
兄に内密に、自身の治療するという目的のためには、どうしても領主である父やお母様、それに大切な兄に内緒で物事を進めなければならない。
そのために必要な根回しや、準備物を用意したりしてバタバタしていたのだ。
ーーー突然だけれど、私は悪役令嬢...........の体に転生した。
しかもこの子の体は病弱で、突然発作の症状が出て生きることもままならない程だ。
今はなんとか様々な策を練って、騙し騙し頑張っているところだ。
もっとも、私の病気療養という名の引きこもり生活が長引くことを心配したお母さまが、病気を治す方法が見つかったのか聞きたがり、それを聞いたお父様がひどく狼狽してあわてたほどである。
「ソフィア、本当に大丈夫なのか?」
「はい、もうすっかりよくなりましたわ」
「だがしかし.............その..............領主たる私の力が及ばぬばかりに...............。」
お父様は過労で倒れた私をずいぶんと心配しているようだ。その責任を感じているのだろう。
でも大丈夫な理由は他にあるから、今はその話は置いておこう。
「それで、その方法とは何だ? 薬を買うのか? それとも医者にかかるのか?」
「それは、できれば秘密にしてくださると幸いです」
「...............それほど重要なことなのか?」
「えぇ、実は王都にいるある方の協力が得られそうですので.................内密に進めるためにもお父様やお母様やお兄様のご協力が必要なのです」
お母さまも心配そうに私の手を握ってくる。その手は冷たく小刻みに震えていた。きっと心を痛めたのだろう。
「................ソフィアがこんなにもお願いするのですから、力になれることがあるのなら協力するわ」
「だが、それほど重要なことを私や母に秘密にするのか?」
お父さまも辛そうだ。よほど責任を感じているのだろう。