あらすじ
「信じられませんわ!」
昼休みの生徒会室にお嬢様の声が響きました。
テーブルを思い切り叩いて立ち上がったお嬢様は、興奮冷めやらぬ様子でその美しい青い瞳に怒りをたたえておられます。
そんなお嬢様を宥めるように、隣に座っていた第二王子様が口を開きます。
「落ち着きたまえ、ステファニア」
「落ち着けるわけがありませんわ! わたくしは昼休みも惜しんで王立図書館で勉強していたのに...............どうしてっ! どうして貴女はそんなことになってしまったの!?」
「.................すみません」
激昂するお嬢様とは対照的に私は大人しく項垂れました。
そんな私の様子を見たお嬢様が、しゅんと肩を落とします。
「べ、別に謝らなくていいわよ............、
悪いのは貴女じゃないもの...........」
そう言って、お嬢様は椅子に座り直しました。
.............お優しいお嬢様。私はそんなお嬢様が大好きなんです。
「では、お聞かせ願えるかしら?」
私が顔を上げると、そこには厳しい目で私を見つめる生徒会長様がいらっしゃいました。
私としたことが、現実逃避して自分の世界に入ってしまっていたようです。反省しなくてはなりませんね。
私はゆっくりと深呼吸をして、今まであったこと全てを語り始めました。
私の名前はプリシラ・バーリエルと申します。バーリエル伯爵家の長女でございます。私の下には、天使のように可愛らしい妹もおります。私の妹はミレーヌと申しまして、今は王立学院の一年生です。
私はそんな可愛いミレーヌの姉として相応しい人間になれるように、日々努力をしてまいりました。お勉強もいっぱい一生懸命に頑張りましたし、生徒会の書記として学校のためにできることを精一杯頑張ってきたつもりです。
そんな矢先のことでした。私が追放される羽目になってしまったのは……。
「まさかあのクレティア公爵令嬢がそんなことをやっていたなんて.........」
「驚きですわ............」
「まさに、驚愕の事実だな」
「ありえないわ..............クレティア公爵令嬢がそんなことするわけないもの」
「これが現実なんですよ。皆さん。クレティア公爵令嬢は変わってしまったんです。私の知るクレティア公爵令嬢はもういないんです。もう、ずっと昔に死んでしまったのです.................」