あらすじ
佐倉常春(さくらつねはる)は中学生のときに『ハル』名義でボカロ活動をしていた。
柊桜空(ひいらぎさくら)は同い年で活動しているハルに憧れて歌を始めた。
しかし『薄っぺらい』『恋愛経験ないのにラブソングとかイタい』などの年齢を理由にした荒らしの酷評に晒されハルは、チャンネルを閉じてしまう。
この時点で二人に接点はなかった。
心折られたハルは無気力に過ごしていた。
けれど高校進学しクラスメートの柊桜空(ひいらぎさくら)から疑似恋愛契約を持ちかけられて日常が一変する。
恋愛感情はない。
でも恋愛はしたい。
だから互いに恋愛感情を抱かない相手としてハルを選んだ。
桜空の目的はハルにボカロ活動を再開してもらうこと。
恋愛感情はなかったので疑似恋愛の形にした。
こうして一つの嘘から二人の交際は始まる。
一緒にバイトしてデートを繰り返す。
無気力だった日々が満たされていく。
次第にハルは本気で恋をしていた。
ボカロ好きな桜空のために曲作りを再開しようと思うほどに。
二人の関係は疑似恋愛だ。
一方が本気になれば破綻する。
だから想いに蓋をした。
そして桜空の本当の目的を知ってしまう。
桜空に恋愛感情がないことを確認したハルは関係を終わらせることにした。
「立ち直らせてくれてありがとう。桜空さんのことが本気で好きだから、もう疑似恋愛は続けられない」
好きだから疑似恋愛は終わり。
前を向かせてくれた桜空には、また夢を追いかけることで応える。
それがハルの結論だった。
次の日から桜空は学校に来なくなる。
疑似恋愛の枷で想いを抑えていたのは桜空も同じだった。
ハルに別れを告げられて恋心と失恋を自覚した。
不器用過ぎた二人は、周りに促されて本当の想いを告げあう。
今度は本気の恋愛を始めるために。