あらすじ

武装商人──それは文字通りに武装した行商人を指す言葉。  商人にして冒険者である彼らは、ニーズと商機をリスクにのせて様々な場所に姿を現す。  あるときは未踏破領域、またあるときは迷宮の中、果ては荒廃した魔大陸にまで。  そんな武装商人の一角……冒険都市アラニスで『ぼったくり商店』と呼ばれている一人の男が姿を消した。  「がめつく、悪どく、人情に欠ける」とまことしやかに噂される、都市一番の鼻つまみ者である彼の名はロディ。  ここ十年、冒険都市において名物武装商人であった彼は、ある日を境にぱったりと姿を見せなくなった。  投獄説や死亡説も囁かれる中、当のロディは大陸西端の辺境にある開拓都市サルディンへと向かうべく『大陸横断鉄道』に乗り込んでいた。  というのも、彼はとある一件からアラニスの商会ギルドによって営業停止処分を言い渡され……それを機に危険な武装商人の引退を決意したのだった。  養うべき義妹は独り立ちした。自らの悪評が闊歩する冒険都市は居心地が悪いし、俺が残れば義妹の邪魔になるかもしれない──そう考えたロディは、隠居がてらに念願の大旅行を決め込むことにしたのである。  さて、そんな彼の消失はアラニスでゆっくりと波紋を広げていた。  通称〝ぼったくり商会〟のロディは、実のところ迷宮の様々な危険を金で解決するセーフティーネットとして機能していたのだ。  迷宮深部……最も危険な領域にまで現れる武装商人などロディ以外おらず、彼の不在は徐々に冒険都市アラニスの中で大きな不安になりつつあった。  深部での補給も安全地帯も失った冒険者たちは徐々に消極的となり、アラニス経済の生命線である迷宮資源の産出が大きく低下してゆく。  事態を重く見たアラニス行政府のたどり着いた答えは、ロディの営業権再開を告知することだった。  当の本人は、見つからないままに。  一方その頃、そんな元〝ぼったくり商会〟のロディは、鉄道で巡る旅の先々で、ちょっとしたトラブルや困りごとを、持ち前の経験と技術で解決していく。  そんな彼を復帰させようと動くアラニスの行政府と商会ギルド。  果たして、ロディの引退スローライフ旅行はどうなってしまうのか?  商人にして冒険者、戦士にして魔術師、錬金術師にしてシーフ。  万能無双の引退武装商人が、理想の引退スローライフを目指す物語……ここに開幕!

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カクヨム2023/12/08
  • 現在の作品引退【武装商人】のゆるっと大陸横断旅行