あらすじ
《鬼の一族》の娘「伊吹山さくら」は、都を護持する《かんなぎの一族》「絢小路つばめ」と、慣例にのっとって主従の盃をかわした。「さくらはつばめのもの」「つばめはさくらのおひめさま」。戯れにそう言いあって暮らした五年の歳月ののち、つばめは《災厄》より都を守るために倒れてしまう。つばめから失われたものは「珠」と呼ばれる《かんなぎ》の力であった。
舞台は1926年、帝都東京。伊吹山の鬼が、主の落とし物を探して飛び回る。
伊吹山さくら(16)……鬼の一族の娘。酒に強く、剛腕。細腕で力士を突き飛ばすことができる。
絢小路つばめ(17)……かんなぎの一族の娘。華族。許嫁がいる。
和成(21)……華族の次男坊。
豪(27)……鬼の一族。(いちおう)さくらの用心棒にして、さくらを想っている。