あらすじ
権力争いの末、金色を纏う皇帝が即位した。
彼は血塗られ皇帝と噂されるほど、前皇帝の妃でもある自分の姉すらその手にかけたとのことだった。
そんな中、未だに婚約者のいない皇帝の妃候補を決めるための夜会が開かれることになる。
帝国からの招待状には、婚約者のいない年頃の令嬢は全て参加するようにとの半ば強制的なモノだった。
片田舎の没落寸前の男爵家リンファにも、その手紙は届いた。行ってもどうしようもないとは分かっていたものの、断る方法の分からぬリンファは参加することに。
ただ会場に赴いたリンファに向けられた眼は、蔑みと非難でしかなかった。
この国の人間は生まれながらに異能の力を持つ。
四属性、そしてその力は色により強さの段階があった。どんな属性であっても、力の強いものが富や権力を得て来た時代。
ただリンファはどの属性も持たず、色すらない無色透明だったのだ。しかも没落寸前の貧乏貴族。場違いは甚だしい。
しかしリンファを見た皇帝アーザは多くの女たちの中から、迷うことなくリンファの手を取った。そして何も持たず、色もない彼女を妃にするとその場で宣言する。
何が起こったのか誰一人分からぬ中、皇帝はリンファを抱きかかえ、連れ帰った。
アーザから語られる無色透明の意味。
力があるからこそリンファの何もない力を欲するアーザは、家臣たちが決めた他の妃にも目をくれずただリンファを溺愛が始まる――。