あらすじ
遥かな未来、太陽系外縁で航行不能に陥った巨大宇宙船上で、人類は衰退しながらも生存し続けていた。
宇宙船の支配者である貴族の配下として遺跡探索をしていたラッカードは地下深くで眠る少女を目覚めさせてしまう。少女は数百年にわたって休眠していた人類の敵だった。
彼女はラッカードを拘束し人類との戦いを再開しようとしたが、そこで暴走する貴族に遭遇する。貴族という生命体の圧倒的な強さに脅威を感じた彼女は、ラッカードと協力関係を結んで、しばらくの間、潜伏して情報収集することを決めた。
しかし少女は休眠中、近隣の村の鍛冶師たちに存在を知られ、保護されていた。鍛冶師たちは貴族が少女を捕まえに来たのだと誤解し、奪還のために襲撃を企てていた。
二人は村長の力を借りて鍛冶師たちの暴走を止めた後、誤解を解いて、口止めをするために彼らと話をした。
鍛冶師たちは眠る少女の世話と彼女を目覚めさせるための研究をしていた。彼らは外部の者の手で少女が目覚めさせられたことを残念に思いつつ、少女の目覚めを祝福する。
少女は鍛冶師たちの数十世代にわたる手助けに感謝しつつ、彼らの願いに応えて己の正体を語る。
彼女はかつて人類が生み出し陽電子脳と名付けた人工知性、つまりロボットだった。そして宇宙船を航行不能状態で漂流させつつ、人類が生存できる環境を保ち続けているのも彼女と同じ人工知性の友人なのだと語った。そして友人の真意を確かめるために、再びの生を使うと宣言した。
ラッカードは、人類を滅ぼそうとしたはずの陽電子脳が逆に人類を保護しているという話に困惑しつつ、また目覚めた少女が理性的な存在であることにも希望を感じ、彼女を保護し、その正体を貴族から隠しながら、この世界で共に生きられるように手助けをしていこうと決意する。
※「小説家になろう」にも「STQ ~楽園観測者と光の王の物語~」として投稿していますが、転載に伴い改稿しています。