あらすじ
声優として、他人が書いたセリフだけを口にしている俺はいつだって「嘘つき」――。
代表作もなく、ギリギリ食べている無名声優、各務悠貴。
売れない劇団員の彼女、美紗。
マンション隣室の陶芸家、夏芽。
落研時代の先輩で噺家、橘。
吹き替え声優や地味なナレーターとして食いつなぐ各務は、元は口下手のダウナー系。
大学時代に落語にふれ、書かれた言葉をなぞることで会話力を上げてきた。
心が伴わないのに付き合っている彼女・美紗とはギクシャクしているし、先輩の噺家・橘からは上っ面で中身がないと批判され――。
そんな時に出会った隣人・夏芽はガサツなのに軽やかな芸術家だった。
舞台演劇、吹き替え、アニメ、CM。
さまざまに活動し少しずつ認められながら、各務は自分自身の言葉を探す。
しかし一つの道を突き進んでいると羨望のまなざしを向けていた橘や夏芽も、それぞれの弱さを抱えていた。
二十代後半。大人にならなくてはいけない年頃だが、それでも何者にもなりきれず迷う。
そんな彼らの青春の残りカスの物語。
全44話。10万5千字。
※スタジオ・舞台の最新の状況とは異なる描写があるかもしれません。
※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは関係がありません。