あらすじ
――落ちこぼれた
この言葉は正しくないと思ってる。
本当の落ちこぼれというのは初めから存在を認識されないものだから。居るけど。居ない。
だけど、それは……
――這い上がれないという意味じゃない!
文字通りの世界のどん底に落ちた今、ぼくの意思で一歩進めばそれはもう前進だ。
他者にあらゆる面で劣る。
魔力を扱う素質に乏しい。
そんなちっぽけな悩みは、このどん底でなお誇り高く生きる獣を見て吹き飛んだ。
力が弱い……なら精霊の力を。
動きが劣る……なら獣に学ぼう。
魔術が使えない……なら武器を使おう。
ひとりで生き抜ける力なんて、欲張りなことは言わない。
ひとりでダメなら誰かの力を借りて一緒に這い上がる!
これはひとより劣るぼくが精霊と獣という、ひと以外に救われる物語であり、そんなぼくが誰かを救える力を得る物語だ。
そして――
どん底の地獄の環境で、綺麗なお姉さんの温かい手をいつか握りしめるために死に物狂いで這い上がる物語でもある!