あらすじ
高校三年の坂井妙(さかい・みょう)は、音楽科を有する全国強豪高校のオーケストラ部の一軍に属するコントラバス担当だが、当人は普通科に所属しているというレアケースのため、部内で反感を買っていた。
ある日、部活中にOBが訪ねてくる。一人は将来を嘱望されているチェリストの宮川澄(みやがわ・とおる)。そしてもう一人がコントラバスOBのヨシヒトだった。第一印象から妙のヨシヒトに対する心象は悪く、しかも彼は無断で妙の私物のバスを弾く始末。一方、澄と会話をしていて、妙はある既視感を抱き、彼に尋ねてみた。
「今日の音希(おとき)のライブに顔出します?」
澄は、妙の友人の兄だったのだ。
音希のライブに足を運び、公演後、彼女と合流した妙と澄。すると、突然音希にやけにガタイの大きい男が泣きながら抱き着いた。あっけにとられる妙達の前に、もう一人女性が現れ、音希をみて絶句した次の瞬間、想像もつかなかった言葉を発した。
「代理のボーカル。やってもらえませんか?」
二人の正体はプロのロックバンド《WEST‐GO》のメンバーだった。そして、明かされたのは、彼らが間もなく解散するということと、バンドのボーカル・ベース担当のPsy(サイ)が、ラストライブを目前に急死したという予想だにしないことだった。