あらすじ
僕――猪野宣人(いのせんと)には誰にも言えない秘密の力がある。
相手が心の中に抱えたもっとも悲しい記憶が視える不思議な力だ。
その力を発動させるには対象の相手と抱擁(ハグ)する必要がある。
でも人の悲しみをのぞき見していったい何の得がある? 暗い気持ちに引きずり込まれるだけだ。
最初に力を発動させたのが若い女性だったトラウマから僕は高校一年生になっても女の子と接するのが大の苦手だった。
もちろん恋なんて一生出来っこない。そう思っていたはずなのに。
まるで捨てられた子犬みたいな目をした女の子と運命的に出会ってしまったんだ――。