あらすじ
人には言えない秘密を抱えるパン屋の看板娘サーラは、ある日、友人のリジーからある噂を聞く。それは、今朝、娼館通りに面している川で男の水死体が上がったと言うものだった。死んでいたのはオードラン商会の商会長だという。
「大きな商会の商会長がなくなったんじゃ、そりゃあ騒ぎになるわよね」
「それもあるけど、そうじゃないのよ」
「どういうこと?」
「それがね、その亡くなった商会長が、幽霊になったって話なのよ!」
リジーによると、商会長の遺体が見つかるほんの少し前に、娼館通りから離れたところで、商会長の姿を目撃した者が何人もいるのだとか。
そして、リジーからそんな妙な話を聞いたあとのこと。サーラのもとに、一人の男ウォレスが現れる。
「少し、訊ねたいことがあるんだが」
ウォレスはどうやら、商会長の死について探っているようだった。
そして、このウォレスとの出会いが、サーラの運命を変えていく。
七年前にすべてを失い、過去を封印することを余儀なくされたサーラは、ウォレスとの出会いによって、失った過去を取り戻していくことになるーー