あらすじ
雪が降るクリスマスは、ホワイトクリスマスというの。その雪は、恋人たちへの神様からの祝福なのよ――
その言葉は、もう顔も思い出せない亡き母の言葉。
小学五年生のその日、夏木由利は母の言葉を思い出していた。
その、祝福であり、呪いの言葉を。
死を知る少女はクラスから少しだけ浮いていて、どこか大人びた彼女の在り方は、敵を作るには十分すぎた。
通知表を勝手に回し見される彼女は、すべてを切り捨てようとして。
「本当に、すごいね」
幼稚園から一緒だったクラスメイトの雪村俊介はそんな言葉とともに、夏木に救いの手を差し伸べる。
その日、夏木は知った。
クリスマスの雪は、恋人たちへ、あるいは恋する者たちへの祝福なのだと。
これはホワイトクリスマスでつながる夏木由利、雪村俊介、そして板垣峻佑の、恋と苦悩と挫折と、それでも幸福を求めた足掻きの物語。
※この作品は小説家になろうに投稿している拙作の改稿版です。