あらすじ
『なんだ、取らないの?』
「えっ」
『今、熱い視線くれたよね? まあ、また会えるかもしれないしね。その間、よく考えるといいさ』
「え、嘘、待って」
『待てないよ。見ればわかるだろーう…………』
……と、落ち着いて、あたし。これは夢……じゃない。ええ、現実。間違いなく、あたしはこの足でこの回転寿司に来た。
じゃあ、あたし……うん、疲れているんだろうな。だって有り得ないじゃない。エビがレーンの上から話しかけてきたなんて……。
ええ、幻聴に決まってる。それもにぎり。にぎりよ。つまりエビの死体の、その肉片じゃない。うわっ、そう考えると他のも何か気持ち悪く思えてきた。まだそんなに食べてないのに……。
ふっー、大丈夫。気を取り直して、お茶を淹れて、よし……。
『やあ。また来たよー』
「嘘でしょ、なんで? ねえなんで?」