あらすじ
「お疲れ」
「え?」
ジュースを差し出すと、一瞬キョトンとした顔をしてから、パッと目を輝かせた。
「やさしいじゃん! ありがとな!」
バイトをすることも彼が選んだことだから、別にボクが労ってあげる必要もないのだけれど、彼の苦労話を聞くだけ聞いてなんの労いもないのはなんだが気が引けた。働かなくても親からお小遣いをもらえる自分が、なんだか怠け者の卑怯者に思えてしまったから。貴重な140円ではあるが、この罪悪感を払拭できるならたかが140円だと思った。
今にして思えばそのたかが140円が、すべての始まりだったのかもしれない。