あらすじ
ガンマ・ベルクウッド。
伯爵家、ベルクウッド家の次男であり、冷や飯ぐらいの出来損ないと評される少年である。
魔力、剣術、共にダメダメ。そのうえそんな自分を改善しようとしない昼行灯。
だが、実は彼は、幼い頃から夜な夜な森へ出ては剣の修行を積む剣の鬼であり、それ故に圧倒的剣才を持っていた。
「いやぁ、家督をはじめ煩雑なことを兄上に全部任せて趣味の剣を極められるなんて、次男最高!」
さて、そんな風に剣に明け暮れる日々を楽しむ彼であるが、実は最近悩みがあった。
それは、いつからか修行しているときに人が現れ、稽古をつけて貰いたいと頼んでくること。
半年ほど前、修行中森で偶然出会った女性剣士を助けるためドラゴンを一刀両断したころからそんな連中が増えていた。
「なんで?」
調べてみるとそれは、助けられた女剣士がガンマのことを【謎の剣聖】と紹介したことに端を発していた。助けられた女性は新聞にガンマのことを話しており、その上、その女剣士を助けにきた者に、彼がドラゴンを斬った場面を目撃されてしまった結果、ガンマは新聞の一面を飾り、見事、『夜の森に出没する謎の剣聖』として有名人になったのだった。
そして剣士達はその実力を見込み、稽古をつけて貰うためにやってくるようになったのである。
「えぇ……」
かくして、謎の剣聖として有名になっていく彼。
果たして彼は、そんな自分の正体を守り抜き、趣味に没頭するだけの日々を送ることができるのだろうか。