あらすじ
10階建て295戸。ワンフロア30戸。(うち1階はゴミ捨て場等施設の関係で25戸)
二棟、大と小。切り離され、上から押しつぶされたような『コ』の字型のマンション。
敷地をぐるっと囲うようにフェンスあり。中央は公園。
部屋の広さは子持ち夫婦が暮らすに十分。子供が巣立った後は悠々と。
家賃もお手頃価格。老若男女問わず受け入れる。
単身。二人。親子三人、四人と居住者の笑顔溢れるみんなの家。
子供が笑う。主婦たちが笑う。仕事帰りの彼、彼女が灯りを見つけ、ホッと笑顔になる。
そんな彼らのマンション。
夜中。カツン、カツンと廊下に響くその足音は無意識だが、どこか心の拠りどころ。
熊を恐れ、声を出しながら山道を行く登山者のよう。
これも無意識。つい目がいくのはドアの脇の部屋番号。
――101号室
【アイダショウタ アイダエツコ アイダハルト】