あらすじ

「どれも似た顔で見分けがつかな」 と、そこまで声に出した父親はあっ、と思った。 夜。自宅のリビング。温め直した惣菜のコロッケを箸でつつきながら、ふと思い、口にしただけのこと。 『仕事で疲れていて、ついちょっと本音が……』と刹那の瞬間に思い浮かんだその下手な言い訳を口にする間もなく、一、ゼロのカウントでくる。しかし、したところできっと逆効果であっただろうから、それはそれでよかったと言えよう。 「は? はぁ!? 似た顔って全然違うからぁ! それおっさんがよく言うやつだよ!」 凄まじい剣幕の娘に、父親は思わず仰け反った。そして『おっさん』という言葉の響きにひっそりと傷つく。 「はぁーぁ、ほんっっとわかってないね! ほらよく見て! 今映ったのがジュンでああ、ほら、彼がミッツでミキちゃんの推しね! で、きゃぁ! レン様!」

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小説を読もう2024/01/10
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