あらすじ

「すみません。」
とある日、公園で声をかけられた。私は、思わず顔をひきつらせた。だってここは、ゲームでの定番スポット。悪役令嬢役のリアーナがここで転んでしまい、それを隣国の王子が助けるイベントが起きるのだ。
(..........まさか!)
と思った。だけど私の予想は外れた。声をかけてきた人は、隣国の王子じゃなかったんだ。彼は私に近づくと、こう言った。
「貴方がリアーナさんですか?初めまして。僕は、貴方の妹のセリーヌの婚約相手、バレオットです。」
「えっ?」
私は思わず声をあげた。
(……セリーヌの婚約者が、なんで私の前に現れるの?)
わけが分からなくて私は彼をじっとみつめた。彼は私に向かって言った。
「いや、すみません。セリーヌがこのスポットでよくあなたと会っていると聞いていたので、ちょっと興味があって来てしまいました。セリーヌからあなたのお話はよく聞いているんですよ。あなたはとても面白い人だそうですね?」
「……」
私は驚いて声も出なかった。
(……そういえば、私の家の経済状況が苦しくなり、セリーヌに婚約を頼めないかという話があったんだっけ。)
でもそれは、あくまでうちの家族が没落した場合の話。私は聞いたことはなかった。
(まさか! 私が転生して悪役令嬢として存在しているせいで、その婚約がなくなるってこと?)
私が驚いて立ち尽くしていると、彼は私をみながらこう言った。
「セリーヌの言うあなたなら、僕たちの結婚を応援してくれると思うんです。」
「……えっ?」
(……どういう意味?)
私は息を飲んだ。
「……」
私が何も言えずにいると、彼は私に向かってこう言った。
「あなたとお話してみたいです。」
(……へっ?)
私は彼の目をみつめた。彼の目はなんだか鋭くて、そしてなぜか悲しそうに見えた。
(……どうして?)
私は思わず彼から目をそらしてしまった。すると彼がまた言った。
「僕たちの婚約の話について、ゆっくりと話し合いましょう。」
「……えっ?」
(……なんで婚約を応援してほしいなんて言うの? っていうか、なんで私の家まで来たの?)
私は混乱した。でも彼はそんな私を置いて、スタスタと歩き出してしまった。
(……ちょっと待ってよ!)
私は思わず彼を追いかけた。そして彼の腕を摑んで言った。
「ちょっと待って! なんでセリーヌの婚約者が、突然私に『婚約を応援してほしい』って言うの?」
彼は表情を変えずに淡々と答えた。「だってあなたが面白い人だから。」
(何それ?)
状況が上手く飲み込めず、私は彼についていくことしかできなかった。
....................後に、彼とセリーヌがあんなことになるなんて思いもせずに。

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アルファポリス
アルファポリス2024/01/10
  • 現在の作品妹の婚約者と言い張る男性と出会いまして