あらすじ

江戸の町で昨今流行りの裏稼業。 モノでもヒトでも依頼されれば何でも贋物を用意するというハッタリカタりの騙しの商売〈贋物屋〉。 その贋物屋の正体は同じく昨今流行りの芝居の一座、深山一座の看板女形の雪之丞と立役者の助三。彼らは卓越した演技と幅広い人脈で困り事を抱えた依頼人を助けていく。 第三話「贋花嫁」 今回の依頼人は伊勢屋の娘のおちよ。 大店の娘が政略結婚を嫌って贋花嫁を依頼してきた。偽花嫁が婚礼を挙げて親達を油断させている間に自分は好きな男と駆け落ちをするつもりだとのこと。 政略結婚の相手は父親の同業者の中年男で、おちよは後添えとして迎えられるのである。だが、おちよには好きな男がいた。何年か前に町でちんぴらに絡まれているところを助けてくれた男である。その男・駒吉はまともな職にも就かずふらふらとしているような、箸にも棒にもかからぬ男であったが、おちよには優しいのである。おちよに泣きつかれ、贋物屋の人々は依頼を承諾する。仕掛人、つまり贋花嫁として雪之丞が任務を果たす。江戸一番の名女形の腕の見せ所であった。花嫁姿になった雪之丞は妹の菊弥が見ても惚れ惚れするような美しさであった。もったいなくもその美貌を綿帽子で隠し、おちよではないと悟られないようにして雪之丞は婚礼の席へと出向いていった。贋花嫁が婚礼をつつがなく済ましている間に、おちよは家を抜け出しは深山一座へと逃げ込む。そこで男と待ち合わせていたのである。 ところが、駒吉はいつまで経っても姿を現さなかった。 おちよは涙をふき固く決心した様子で、家には戻らぬと言い出した。雪之丞達は仕方なく二・三日、おちよの気の済むまで様子を見ることにしたのである。 ところが、その間におちよの父親の元に身の代金を要求する脅迫状が届いていたのであった。勿論、雪之丞達が出したわけではなく―――

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小説を読もう2022/07/07
  • 現在の作品第三話「贋花嫁」