あらすじ
闇バイト。俺がやっていたことが世間じゃそう呼ばれているってことを知ったのは、つい昨日の夕方のことだった。
小汚ねぇラーメン屋にあったテレビのニュースだ。逮捕だの報酬は支払われないだの使い捨てだの気分が悪くなるようなことばかり、偉そうなクソコメンテーター様が言ってやがった。
知るかよって話だ。仕方ないだろう。ニュースなんて見ようと思わなきゃ見ないんだから。見合わない報酬に釣られて警察にとっ捕まって馬鹿呼ばわりされるそいつらも、そうだったんだろう。
そう、俺も奴らと同じだ。もう引き返せないところまできちまった。始めはただの運び屋。品を受け取って渡してって出前と同じ感覚。だが報酬は桁違いだ。何を運んでいるか知ろうとはしなかった。中身は見るなとのお達しだからだ。ああ、俺にしては、けっこう真面目に頑張ったんだ。