あらすじ
古民家の怪異物語。
母親を亡くして途方にくれた2人の兄妹が小道に迷い込んでしまう。
小道には古民家があった。
古民家は1人のお爺さんが営んでいる薬屋さんだった。
お爺さんが歩き疲れた二人を家に招く。
お爺さんは2人に薬の作り方を教え、古民家から出て行ってしまった。
気づいた時には2人は古民家から出ることができなかった。
この古民家は誰かと入れ替わらなくては出れない怪異の家だった。
異界と繋がる小道から化け物達が薬を買いに来る。
2人は怯えた。
それでも2人が中庭に生えた薬草を使って薬を恐る恐る作っていく。
こういう状態でも兄は学んで行く。
妹を励まし、生きることを選択していく。
彼等は薬を作り、化け物から報酬を受け取った。
母親がいない世界。そこには希望が無かった。
だけど学ぶことをやめてしまったら生きることができない。
化け物にとって薬を売らない人間には価値がない。
化け物達は古民家に入る事ができた。化け物には怪異のルールは適用されなかった。
古民家は薬を作る人間を欲した。だから古民家から出ることが出来ないのは人間だけだった。
特別な能力を持ち、怪異退治をする魔法少女。
魔法少女じゃなく、本当は霊媒師である。
高校1年生の霊媒師。それが本作の痛いヒロインである本田ナノである。
彼女は自分のことを魔法少女と呼び、魔法少女っぽい服装をしていた。
彼女には助手がいた。
本田ナノと同じ高校に通う同級生の男子である。この物語においての探偵役であり、語り部でもある。山本世界観である。
魔法少女のところに行方不明になってしまった子どもを探してほしい、という依頼がきた。
探偵役の青年は2人の子どもがいなくなった場所で起きた事件の情報を集めた。
そして数十年前に行方不明になった男の子がお爺さんになって戻って来た事件に辿り着く。
彼はお爺さんと会い、どういう怪異なのかについての謎を解いてしまった。
そして魔法少女ができる事を察し、結末を予想してしまうのだ。
探偵の指示のもと魔法少女は現実と異界の歪みを探した。
そして2人は古民家を見つけた。
そこで2つの物語が交差する。
古民家に閉じ込められているのは実は1人だけだった。
お爺さんと入れ替わったのは1人だけ。
2人目は一緒にいるだけだった。
だから兄妹のうち、どちらかは外に出ることができた。
魔法少女ですら具現化された古民家を潰すことはできない。
でも現実と異界の歪みを閉じることはできた。
歪みを閉じると2度とココに迷い込む人はいなくなる。
だけど兄妹のどちらかを閉じ込めなければいけなかった。
月日が経てば閉じ込められていた兄妹のどちらかは死に、新しい主人を招くことができない薬屋にはお客が来なくなり、忘れ去られて怪異は死ぬ。
怪異探偵の山本世界観ははじめから、その事に行き着いていた。
怪異探偵は解決方法を兄に伝えた。
それから兄の苦悩が描かれ、妹を外に出すことを選択する。
妹を古民家から出すために、お兄ちゃんは妹に嫌われる態度をとった。
だけど妹は何かを察して、お兄ちゃんに嫌われても古民家から出ようとしなかった。
だからお兄ちゃんは妹への嫌がらせをやめた。
そしてお兄ちゃんは化け物に渡す薬を間違えてしまった。
こういうことが今まで何度かあったので兄妹は怯えた。
化け物は怒り狂って古民家に入って来てしまう。化け物には古民家の1人だけ閉じ込める、というルールが適用されない。なぜなら古民家は薬を作れる人間を求めている。
そこで正しい薬を渡せばよかったのに、兄は慌てて間違った薬を化け物に渡してしまった。
化け物はさらに怒り狂い、兄に襲い掛かった。
殴られる兄を助けるために、テントを張っていた怪異探偵と魔法少女の元まで妹は助けを求めに行った。
あの魔法少女ならお兄ちゃんを助けてくれると思ったのだ。
魔法少女と怪異探偵が化け物に襲われ、そのたびに不良に絡まれた格闘家のように魔法少女は化け物をやっつけていた。
だから妹は魔法少女に助けを求めた。
だけど魔法少女はお兄ちゃんを助けることはなかった。
古民家から出て来た妹を連れて現実の世界に戻ったのだ。
こうなる事を怪異探偵はココに来る前から知っていた。
だから兄にだけ現実の世界に戻れるのは1人だけだと伝えていたのだ。
そして兄も妹も、その事は知っていたのだ。
化け物に渡した薬を間違えたのは兄の意思だった。
妹は泣き叫びながら兄がいる古民家に戻ろうとした。
だけど古民家に続く道は魔法少女の手によって閉ざされ、2度と妹は兄に会うことはなかった。