あらすじ
俺、永井優は小学生のころからの初恋である、天笠姫乃と付き合っている。姫乃の天真爛漫な笑顔や穏やかでふんわりとした雰囲気に惹かれていた。もちろんそれは今も変わらない。
ところがある日、俺たちが通う松嶺高校に、転校生がやってきた。
名前は柊木菜月。俺の隣が彼女の席だ。柊木は内気でおとなしい感じの子だ。だけど、どこか不思議な雰囲気を放っていて、柊木の周りの気温だけ、低く感じた。
そんな柊木は、転校二日目の日、俺が部長をしているクイズ研究会に入部届を渡してきた。
柊木は、同級生や先生に対して、距離を置くような態度をとっているが、俺にだけ甘えたりデレてきたりする。
でも、俺には大切な彼女がいる。
日に日に過激な行動が増える柊木を、やめさせなければならない。
「ねえ、部長。カノジョさんとのキスって、どんな感じ?」
「あたしのこと、好きに使って?」
「なんで? なんであたしを遠ざけるの?」
何度も言うが、俺は姫乃の彼氏だ。どれだけ柊木が彼氏彼女のあれこれに興味があるからといって、これ以上は危険だ。俺は柊木を突き放す。
「もう、ダメだ。このままいったら、絶対おかしくなる」
それでもいいよと、柊木は言う。だってもう、とっくにおかしいんだから。
柊木は俺を押し倒し、舌と舌を絡めるキスをした。満足したのか、ようやく俺を解放すると、堰をきったかのように、述べた。
柊木は幼稚園の頃、俺と友達だったこと。
いじめられていた自分を救ってくれたヒーローだということ。
そんな俺に初恋をしていたのだということ。
聞き終える頃には、柊木を抱きしめていた。俺をこの上なく想ってくれていた。俺のことを好きでいてくれた。それだけで、俺は柊木を情愛した。
そのときの俺は、姫乃の顔がほんのわずかも思い浮かばなかった……。
不安定な三人が織りなす不純愛ラブコメ! 開幕!