あらすじ

「ロイド様、あれ」
「……うん。本当だったんだね」
ロイド様の視線の先には、手を繋いで楽しそうに歩いている男女の姿があった。二人ともまるで絵に描いたような美男美女である。すれ違う人は皆、二人を振り返る。女性の方は分からないが、男性の方の顔を見るとすぐに彼だと分かった。
(本当に主人公と一緒にいるじゃない……)
思わず私とロイド様は顔を見合わせてしまう。
「聖女の力が覚醒したからだろう? ルイス様が彼女を選んだのは」
「そうですね」
私は隣にいるロイド様の手を見ながら頷いた。彼は今、私の手を繋いでいる。私達は下町探索中に仲良くなってからこうして時々、手を繫ぐようになったのだ。
(……私とロイド様は恋人じゃないし)
いくら仲が良いとはいえ、友達以上恋人未満な関係だ。でもそれはゲーム補正によるものなのか、それとも彼が本当に私を好きかは分からない。私はいまだに告白すらされたことがないからだ。
(……今回のヒロインとの出会いイベントがなかったら、私達の関係はどう変わってたんだろう……)
ゲームならきっとロイド様はヒロインに心奪われていたはずだ。だって彼はノーマルの人なのだから。
(もし、ロイド様が私を選んでくれたら……)
そこまで考えて私はその考えを振り払うように首を振った。
(そんな夢みたいなことあるはずがないんだから……!)
そんなことを考えていたせいで、つい足が止まりそうになったがロイド様に強く手を繫がれることで留まった。私達はそのまま手を繋いで下町の探索を始めることにしたのである。

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アルファポリス
アルファポリス2024/01/02
  • 現在の作品聖女に覚醒したヒロインと、私の婚約者である王子が仲良くしておりまして