あらすじ
【追加・変更点について】
●2021/02/18 01:48 『前夜迄』7編を追加しました。
「渇望編 - 1 自由思想への希望的観測」より以前の各登場人物の前日譚となります。
●続編となる『先生編』を準備中です。
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世界の趨勢を決める戦争があった。
正義を騙る強国は、ひたすらに敵を追い立てる。
継続して、徹底的に、容赦なく攻め抜いた。
やがて、戦争も終結に向かうかと思われた頃のことである。
劣勢の立場に置かれた国は、形勢の逆転を狙い、ある計画に着手した。
それはPSI能力の人為的な開発、組織化を目指して極秘裏に進められた。
近代兵器に頼らぬ戦術様式の確立、戦闘状況における最前線への投入を画策した矢継ぎ早の立案であった。
余りにも荒唐無稽なその計画は、だがしかし、窮状の度合いに呼応して説得力を増していった。
『能力者』による戦争の継続と、その先にある勝利という名の代価を求めて。
しかしその願望が満たされることはなく、戦争は静かに終わりを告げる。
ついぞ『能力者』の実戦投入が行われることはなく、進捗も不明のまま、計画は密かに闇へと葬られた。
歴史の表舞台に顕れぬその計画は、砂漠に霞む蜃気楼の如く、その形を失う――
はずだった。
時が経ち、日常は、穏やかに進む。
消えたはずの、過去の幻が再び影を落とすまでは……。
敗戦の色濃い最中、能力者の研究、養成を行う『学園』から抜け出して
自由な生活を取り戻した少年少女。
しかし、その前に学園からの使者が現れる。
「学園へ戻れ。要求を拒否するなら――」
学園側は、学園の在籍者に対し『卒業』出来ることを条件に挙げて
使者として送り込むことで、かつて脱走した能力者の回収を目指した。
そうして、『卒業試験』と称される奪還作戦が開始される。
それぞれの胸に、それぞれの欲望を秘めて
少年少女は激突する――