あらすじ
焦土に堕ちる街並み。噴出する血と悲鳴。
底なしの絶望が渦巻く地獄のような光景にて、それを生み出した怪物に一人で英雄は挑んだ。
数多くの伝説を残し宿るギフトの恩寵を受け、激突しあう両者の死闘は筆舌に尽くしがたく。
ゆえにその戦は伝説へと高じ、涙と悲劇を土台にしながら皆を救う英雄譚を作り上げた。
それがあまりに凄まじく、雄雄しく熱く、胸を心を焦がすものだから……その場にいた少年、レオンはどうしようもなく憧れてしまった。ただ憧れ自分も誰かを救いたいと願ってしまった。
才無き身で、英雄たり得ない器で、その世界に近付きたいと思ったのだ。
――故に。
これは才気に溢れ光に生きる英雄の物語ではない。
かといって闇を生きる悪役の物語ではなく、焦がれた愚か者が「英雄に成るという」自分のユメを突き通すために愚直で泥臭い、足掻き抗う物語。
どうしようもない馬鹿が送る……くだらなくて、アホみたいなそんな噺だ。