あらすじ

夜、その建物の中でポタッ、ポタッと水が滴り落ちる音と足音が響く。 外は雨……ではない。何日か前に降った雨が屋上から下へ下へと染みこんでいるのか、それとも配管から漏れているのか、いや、水道は止められているはずだ。 ここは廃墟。彼の仕事はそこの巡回。 なんだってこの俺がこんな仕事を……。 という心の嘆きは足音に表れることなく、ただ体の内部で繰り返し繰り返し木霊し続けている。 この社会が、実力主義であることはわかっていた。受け入れていた。望んでもいた。 ……自分が一番前を走っている時は。だが、今や若い連中に職を、居場所を奪われ…… 「ああっ!」 と、彼はとうとう堪えきれず声を上げた。肩に水滴が落ちてきたからだ。 彼は手で払い、そしてその手もまた、ぶんぶん振った。

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小説を読もう2023/12/31
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