あらすじ
私は婚約破棄された。そして、周りには両親や屋敷の使用人達。
「陛下、どうか寛大なお心で娘のしでかしたことをお許し下さい」
父が国王に懇願する。
「うむ。そうだな、今回は許してやるとしよう」
父の顔色がパァと明るくなるのを黙って見ている私。
──だって私は何も悪いことをしていないもの。ただあの男に婚約破棄されてやけになって街を歩いてただけだし。それに婚約破棄されたからって怒る必要はどこにも無い。むしろおめでたいことじゃないの。
だって──、と私は思う。
なぜなら──、
「ですが、ここにいる私の娘を平民に落として下さい!」
……は?
「うむ、そうであるな。平民に落とすがいい」
ちょっと待ってよ。陛下まで何を言って……。
「そうだな、それで今回のことは許してやる」
あ……あ……。
「ありがとうございます! 感謝いたします!!」
あ……ああ……。
『はい! みなさーん、今陛下がおっしゃったように、ここにいるアマンダ・フェジテ嬢を平民に落とすことに決定いたしました!』
『おめでとー』『よかったねー』『やったね!』
パチパチパチパチ。
そんな声が飛び交う中、私は茫然自失していた。
──待ってよ。私何も悪いことはしていないのよ! なんで私が平民にならなきゃいけないの!?
「うむ、それでよい」
私のお父様が恭しく頷く。
「ありがとうございます!」
あ……ああ……。ああああ……。
私が口をパクパクさせてる間も、父と国王の会話は続いていく。