あらすじ
俺――吉沢悟は、和田健斗のことが嫌いだ。
勉強も徒競走もクラスの人気も、なにもかも勝てなかった幼馴染と再開した。浪人して念願の名門大学に入学したその日、あいつはひとつ上の先輩として。
「悟にとってもその能力を生かすことができる。 きっと役に立つから」
あいつは誰にも優しくお人好しで人に強く言えない気弱な幼馴染ーーだった。久しぶりに再開した幼馴染は、姿はあの時のままなのに性格だけがまるで違う。サークルの部室に誘い込みサークルに無理やり誘ってきた。その能力が欲しい。どうしてもお前でなきゃならないんだ。
「だから俺のワトソンになってくれる?」
ペラりと机に広げられたその紙には、無機質に印刷された黒いインクでこう書いてあった。
――『東京学院大学 探偵部』と。
『読心』を持つ俺は、なぜか『和田健斗』の心だけを読むことができない。
登場人物
・吉沢悟(よしざわさとる)
心理学部一年。
主人公。読心を持っており、人の心を読むことができる。無意識に読み取ってしまう能力のせいで苦労したこともあり、この能力を嫌っており極力使いたくない。
浪人し、合格に一年を費やした念願の大学に入学し、構内で幼馴染の和田健斗と再会する。勉強も何もかも勝つことができなかったかつての強敵。埋まることのない劣等を抱えながらも、かつての幼なじみの誘いに乗り、のこのこ探偵部の部室についてきてしまった。
読心が使える自分が、嘘を見抜けなかった理由。
和田健斗の心の声はなぜか聞こえない。
・和田健斗(わだけんと)
文学部日本文学科二年。
悟の幼馴染で、誰にでも分け隔てなく接するお人好し。……だった。いつのまにかいなくなり、その存在も忘れかけていた悟の前に姿を現したのは、中身だけがそっくりそのまま何者かに入れ替わったような、何かだった。
勉強も運動もなんでもできる天才であるが、周りの人間が自分ではなく自分の功績ゆえに集まっているのを知っている。
吉沢悟と大学の構内で出会い、探偵部に勧誘する。どうしても悟でなければならないといい、探偵部に強引に誘う。
・佐々木恵梨(ささきえり)
文学部英文学科二年。
明るく元気で周りを傍迷惑に巻き込んでいく探偵部のメンバー。だがしかし、父が海外で不動産を営んでいるお嬢様であり事件を持ってくるのはおおむね彼女。今日も事件を部室に持ち込む。
「おっはよー!ご機嫌麗しゅう探偵部の諸君!今日もとびきりの大事件を持ってきたぞぉ!」
淹れる珈琲が絶品すぎる学年主席。
※更新日は、毎日19時
12/25〜1/8まで(その後は原稿の修正次第)、毎日投稿されます。
〜12/27 1章【全8話】
12/28〜 2章