あらすじ
昔々、まだ科学が世界を支配する以前の話。世の中は魔法と道理で成り立っていた。
そこにはまだ人間という生き物は生息しておらず、世界を構成する多くは犬や猫といった動物たちで、ごく少数、エルフや魔法使い、妖精と呼ばれる珍獣が存在した。
お金持ちの家に生まれた一匹の猫。何不自由ない生活を送っていたある日、両親を一度に亡くしてしまう。
生きるためのお金を手に入れるために猫は、何でも願いを叶えてくれるという魔女の元へ向かう。
魔女はキュベルという森に咲く幻の花を見つけることが出来れば、願いを叶えると約束し、猫は森で魔女と共に暮らし始めた。
やがて十二年の月日が流れ、猫は家事もこなせるほど成長し、魔女はすっかり老いたある冬の日。なかなか起きてこない魔女を部屋に起こしに行った猫は、布団の中で息を引き取っている魔女をみつける。
初めて入った魔女の部屋には、キュベルの花と魔女から猫に宛てた手紙が置かれていた。手紙を読み猫は自分の本当の願いが大金ではなく生きるための力と深い愛であったことを悟る。