あらすじ
気が付いたら、目の前で男に組み敷かれて、今にも犯されそうになっている美しい少女が居た。
贅肉で醜くなった裸を晒す男に押さえられて、鎖に繋がれて。
突然、眼前で少女が悪漢に襲われる一歩手前の状況に放り込まれて、理解が及ばなかった。
呆然とするばかりでなにもできずにいる俺を動かしたのは、白いドレスを無惨に裂かれ、大粒の涙を零す少女だった。
「たす、けて……」
請われ、無意識に動いた身体は傍にあった短剣を握って、少女を襲う男を突き刺していた。
何度も、何度も。
ハッと我に帰った時には男は事切れていて、悪党とはいえ人を殺した事実に嘔吐し、崩れ落ちてしまう。
そんな俺を慰めようとして、健気に笑った少女の顔を見て、俺は意識を手放した。
――どうして現実に乙女ゲーのヒロインが?
薄れゆく意識の中、瞳の裏には花のように笑うメインヒロインのゲームスチルが浮かび上がっていた。