あらすじ
私は婚約破棄された悪役令嬢である。それだけでなく、愛する女性を取られて、その上命まで狙ってきたと婚約破棄された元婚約者に罪状を突きつけられた。
その元婚約者が第一王子であることも腹立たしい。
「では、アンジェラよ……お前との婚約をここで破棄する! ……そして新たに、このグレイン・アスターと婚約を結ぶことをここに宣言する!!」
高らかにそう宣誓したのは、私の大嫌いだった金髪青眼男子。この国の王太子であり彼の幼馴染でもある、グレイン・アスターその人だ。
「王太子殿下……この度はおめでとうございます! とても素晴らしいご提案ですわね!!」
そう言って拍手をしたのは私の実の母で王妃のミレーヌであった。彼女の隣では、元婚約者と元幼馴染が嬉しそうに寄り添っている。
そしてこの場の誰もが私を嘲笑っていた。
「……何故私がお前のような悪女と婚約など結ばなければならないのだ!? お前のせいでアンジェラはいつも苦しんでいたというのに!」
グレイン様がそう言い放つと、私の近くにいた貴族やメイドたちは次々と離れていった。
「グレイン様、全ては貴方様の過ちでございます。」
私がそう口にすると、グレイン様は顔を赤くして怒り始めた。
「黙れ! アンジェラは私の婚約者だ! つまり罪は全てお前にある!! そして貴様に嵌められた哀れな女性を今すぐここに連れてこい!!」
しかしミレーヌ王妃は、そんな事は一切できないと言ったような態度を取った。そして私に向かってこう言い捨てた。
「アンジェラ。貴方もこんな男より、グレインの方が素晴らしい方と分かっているでしょう?」
「……」
「無言は肯定と取らせていただきますわよ」
彼女はそう言って私の元婚約者であるグレイン様の腕に手を絡めた。隣にいる元幼馴染のオリヴィア様は、その様子を見てとても嬉しそうにしている。
私は今までで我慢していた事を遂に口にした。
「……ええそうですねミレーヌ王妃殿下……貴方の言う通りですわ……」
「……っ!?」
私がそう言った途端、ミレーヌ王妃は驚いて目を丸くした。そして隣にいるオリヴィア様は、私が言い返すとは思ってもいなかったようで、驚いた表情をしている。
「……貴様! 私にそんな口を利いて良いと思っているのか!?」
そう言って私を怒鳴りつけたのは、グレイン様であった。そして彼は私の元まで駆け寄ると、私の頬を平手打ちしてきたのだ。
「……」
私はそれを黙って受け止めた……がしかし……
「アンジェラ様に何をするのですか!!」
そう言って私を守ったのはメイド長のオリアーナであった。